御坊・日高・有田・田辺エリアの出来事や行事を毎週金曜日に更新。創刊22周年を迎えた地域情報紙のオンライン版です。
地域密着、22年目の情報誌
「ツー・ワン紀州」は、和歌山県南部の有田地方・日高地方の3市9町を対象エリアとする週刊地域情報紙です。最大発行部数40,578部、対象人口約16万1,000人に向けて、行政・教育・文化・スポーツなど幅広い地域の話題を掲載しています。
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有田港から出る釣り船で楽しむ有田のタイ釣り
和歌山県有田市の有田港から、釣り船に乗ってタイ釣りへ出かけた。岸から眺めていた紀伊水道の景色が、船の上ではまったく違って見える。港を離れるにつれて陸地がゆっくり遠ざかり、波の向こうに広がる青い海が、この日の舞台になった。 Yu Fang Shino Yu Fang Wen Quan Ri Guiri Ru Yu Shi Shewogurutto Xunru Bi Jiao Ji Shi 862.
今回の目的は、船釣りの代表的なターゲットでもあるマダイ。春や秋の好シーズンには、タイラバやエサ釣りで狙う人が多く、有田周辺でも遊漁船を利用した釣行が盛んだ。初心者にとっては道具やポイント選びのハードルが高く感じられるが、船長の指示を聞きながら挑戦できるのが船釣りの魅力である。
集合時間は早朝。眠気を残したまま港へ向かったものの、出船を待つ釣り人の表情には期待がにじんでいた。クーラーボックス、飲み物、帽子、日焼け止めを準備し、船に積み込む荷物を確認する。港の朝は静かだが、出発前の時間には独特の活気がある。
有田港周辺は、海の幸やみかんの産地として知られる有田市の暮らしと深く結びついている。海から戻ったあとに町を歩けば、釣りだけでは見えなかった地域の表情にも出会える。今回は、そんな有田の海を体で感じる一日を記録した。
早朝の有田港から出船
港に着くと、すでに船長が出船準備を進めていた。釣り船のデッキにはロッドや仕掛けが並び、乗船者それぞれが席や荷物の置き場所を確認している。初めて利用する人は、竿の持ち方や道具の扱いも含めて、出船前に船長へ尋ねておくと安心だ。
受付を済ませ、救命胴衣を身につけて船に乗り込む。岸壁から船へ移るときは足元が揺れるため、慌てず手すりを使う。船上では安全が最優先であり、移動中に立ち上がる場合も周囲の釣り人や船の動きを確認する必要がある。
エンジン音が響き、船がゆっくりと港を離れた。防波堤の内側では穏やかだった海面が、外へ出ると少しずつ表情を変える。有田の町並みや山並みを背にして沖へ進む時間は、釣りを始める前から特別な体験だった。
潮や地形を意識して海を見ると、陸からは見えなかった情報が増えてくる。山から流れた水が川を通って海へ注ぎ、沿岸の生態系を支えている。海と森のつながりを考える読み物として、遠い地域の事例を扱った森の成り立ちを読む記事にも、自然を眺める視点を広げるヒントがある。
タイ釣りの仕掛けと釣り方
この日の釣法は、船長の説明を聞きながらタイラバを中心に試した。タイラバはヘッドと呼ばれる重りにネクタイなどのパーツを組み合わせ、海底まで落としてから一定の速度で巻き上げる釣り方だ。エサを触る必要がなく、仕掛けを落として巻くという動作が基本なので、初心者でも取り組みやすい。
ただし、単純に巻けば釣れるというわけではない。水深、潮の速さ、船の流れ方によって適した重さは変わる。着底した感触を見失わないようにし、底から一定のレンジを探る。巻き上げの速度を少し変えたり、着底後にすぐ巻き始めたりするだけでも、魚からの反応が変わった。
船長からは「底を取り直して、一定のペースで巻いてみて」とアドバイスがあった。海底まで仕掛けを落とし、リールのハンドルを回す。最初は水深の変化に戸惑ったが、竿先とリールに伝わる重さを意識すると、仕掛けがどこにあるのか少しずつ分かるようになった。
タイラバのほか、エサ釣りやサビキ仕掛けなど、船や時期によって釣り方が変わることもある。予約の際には、対象魚だけでなく、レンタルタックルの有無、仕掛けの種類、持ち帰り方法を確認しておくと準備がしやすい。
海の上で感じる潮と魚の気配
船がポイントに到着すると、エンジンの音が落ち、船上に静けさが戻った。船長の合図で一斉に仕掛けを投入する。海面は穏やかに見えても、海中では潮が流れている。ラインが斜めに入り始めたときは、船の流れと潮の動きが重なっているサインだという。
竿を握っていると、時折、底付近で小さな違和感が伝わってくる。魚が触れているのか、仕掛けが海底に当たっているのか、最初は判断がつかない。アタリを感じてもすぐに大きく合わせず、巻き続けるのがタイラバの基本だと教えてもらった。
しばらくすると、隣の釣り人の竿が大きく曲がった。船長の声が飛び、周囲の人がラインを避ける。魚が走ったときには無理に巻かず、リールのドラグを利用しながら慎重に寄せていく。海中から赤い魚体が見えた瞬間、船上に歓声が上がった。
釣り船では、自分の竿だけを見ていると周囲の状況を見落としやすい。仕掛けを回収するときや魚を取り込むときには、隣との距離や船の揺れに注意する。釣果を競うだけでなく、全員が安全に釣りを楽しめるよう声を掛け合うことも大切だった。
待望のマダイが竿を絞る
私の竿に最初の明確なアタリが出たのは、ポイントを移動してからだった。着底後、一定の速度で巻いていると、竿先が小刻みに揺れた。根掛かりとは違う生命感のある動きに緊張しながら、そのまま巻き続ける。
次の瞬間、竿先が深く入り、リールを巻く手に重みが加わった。魚が掛かったと分かったものの、急いで巻くとバラしてしまいそうだった。船長の指示を聞きながら、竿を立てすぎないようにして、魚の動きに合わせてゆっくりリールを回す。
海面近くまで寄せると、赤みを帯びた魚体が見えた。タイ特有の体高と輝きに、疲れよりも先にうれしさが込み上げる。最後は船長がタモですくい上げてくれた。自分で釣り上げたマダイを手にすると、出船前に抱いていた「本当に釣れるだろうか」という不安が一気にほどけた。
サイズは大物と呼ばれるほどではなかったが、船釣りで初めて手にした一匹として十分な存在感があった。写真を撮るときは、魚を強く握らず、短時間で済ませる。リリースする魚や小型魚を扱う場合には、魚体を傷つけないよう濡れた手で触れるなどの配慮も必要だ。
釣果を持ち帰るまでのひと工夫
釣れたマダイは、船上で血抜きや締めの処理をしてもらった。魚をおいしく味わうには、釣り上げたあとの扱いが重要になる。処理の方法は船によって異なるため、船長にお願いできる内容を予約時または乗船時に確認しておくとよい。
クーラーボックスには十分な氷を入れておく。飲み物や弁当を入れるものとは別に、釣果を入れるスペースを確保できれば衛生面でも安心だ。魚が大きい場合は、頭や尾を含めたサイズを考えて、余裕のある容量を選びたい。
帰港後、クーラーボックスの中で赤い魚体を見返すと、海上での時間が現実に戻ってきたように感じた。船の揺れに慣れず少し疲れていたが、釣った魚を持って港に戻る喜びは大きい。釣果が多くなくても、自分で釣り上げた魚を家で味わえることが船釣りの魅力だ。
マダイは刺身、塩焼き、煮付け、鯛めしなど、料理の幅が広い。今回は鮮度を生かして刺身にし、残ったアラは汁物に使った。釣りの翌日に食卓へ並んだ魚を味わうと、釣り場の潮の香りや竿に伝わった重みまで思い出される。
有田の港町と周辺の楽しみ
有田港での釣行は、船に乗っている時間だけで終わらない。出船前後に港町を歩き、地元の店や海辺の風景に触れることで、有田市をより身近に感じられる。季節によっては、みかん畑の景色や地域の催しと組み合わせた小旅行にもできる。
有田市周辺で開かれる行事や地域イベントを探すなら、ツー・ワン紀州の和歌山のイベント情報も参考になる。釣りの日程に合わせて、祭り、スポーツ、文化行事などを調べておけば、同行者が釣りをしない場合にも過ごし方を組み立てやすい。
帰港後に時間があれば、湯浅町方面へ足を延ばすのもよい。醤油醸造の歴史を感じる町並みや、海沿いの景色を楽しめるため、釣りと町歩きを組み合わせた日帰りコースになる。周辺観光のイメージを広げるには、湯浅町の日帰り旅のような地域記事も役立つ。
釣り船の利用では、出船時間に遅れないこと、船長の指示を守ること、ゴミを海へ捨てないことが基本だ。港や周辺施設を利用する際も、地元の人の生活空間であることを忘れず、静かに行動したい。地域の漁場を次の世代につなぐためにも、釣り人一人ひとりの心配りが欠かせない。
初めての人が準備したいもの
服装は、季節を問わず体温調整ができるものを選ぶ。海上は陸上より風を強く感じることがあり、夏でも薄手の上着があると便利だ。冬は防寒着に加えて、手袋や滑りにくい靴を用意する。サンダルや底が滑りやすい靴は避けたほうがよい。
持ち物は、飲み物、帽子、日焼け止め、タオル、雨具、酔い止め、クーラーボックス、氷など。スマートフォンは防水ケースに入れ、落下防止のストラップを付けておくと安心できる。船上では水しぶきや魚のぬめりが付くため、衣服や荷物は濡れてもよいものにしておきたい。
船酔いが心配な場合は、前日は睡眠を十分に取り、乗船前に酔い止めを服用する。空腹も満腹も避け、脂っこい食事や飲酒は控えるとよい。遠くの水平線を見る、船の中央寄りで揺れの少ない場所にいるなど、体調を崩さない工夫も役立つ。
予約時には、料金、出船時刻、帰港時刻、対象魚、レンタル竿、仕掛け代、エサ代、キャンセル規定を確認する。釣果を持ち帰るための氷や発泡スチロール箱を用意してくれる船もある。分からないことを事前に尋ねておけば、当日は釣りに集中しやすい。
有田港からのタイ釣りは、魚を釣る喜びだけでなく、早朝の港、沖へ向かう航海、潮の動き、船上で交わす声、帰港後の食卓までを一つにつなぐ体験だった。マダイが釣れた瞬間はもちろん、釣れない時間に海を観察し、仕掛けを調整する過程にも船釣りの面白さがある。
有田市や紀北・紀中エリアで海のレジャーを探している人は、遊漁船の運航状況や季節ごとの釣り物を確認し、無理のない計画で出かけてほしい。ツー・ワン紀州では、地域のイベント、暮らし、観光、スポーツなど和歌山の身近な情報を発信している。有田港での釣行と町歩きを組み合わせ、海の恵みを味わう一日を楽しもう。
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